今回は認知の歪みの思考法の一つでもある「レッテル貼り」について具体的にどのような意味なのか、そしてそれによる影響や対策方法をお話ししようと思います。
レッテル貼りとは、物事を簡単に分類して、それに基づいて判断する心理現象のことを指します。
たとえば、他人に対してあの人は「真面目」だねとか、「几帳面」「おおらかだ」といった言葉で表現することも、レッテル貼りの一種です。
私たちは幼少期から無数のレッテルを貼られてきます。「女の子なのだから◯◯しなさい」「お兄ちゃんなのだから◯◯でなければいけない」といった性別や年齢に基づく差別的な言葉もその一例です。
多くの人はこのようなレッテルに無意識のうちに従ってしまい、「私はこういう人間だから」という意識が知らずに根付いてしまいます。
1.レッテル貼りが及ぼす影響
「レッテル貼り」の背後には、「ラベリング理論」と呼ばれる心理学の概念が影響していて、これは、社会学者ハワード・ベッカー氏が提唱したもので、実は人の逸脱行動はその人に貼られたレッテルが大きく影響するという考え方です。
例えば「あの人は頭がキレる」「彼は素行が悪い」といったラベリングされた評価によって、その人の行動に大きな影響を及ぼすとされています。
また「この人はこういう人だ」と決めつけてしまえば、その人の多面的な側面を見落とす可能性があります。レッテル貼りによって「その人本来の姿とは違った」イメージが作られてしまい、差別などにもつながる可能性があります。
2.他人からのレッテルは受け流す
もしもあなたが会社で上司に「お前は本当に使えないやつだな!」と言われ続けるとします。そうしたらどうでしょう?本当に自分が使えない人間なんだと思い込んでしまいますよね
ですがこのように、他人から言われる悪口のようなレッテルを受け入れてしまうと、あなたが本来持っている能力を十分に発揮する可能性を自ら潰してしまいます。
そうならないためにも自分の心を守るためにラベリング理論を知り、理不尽な悪口やレッテル貼りをされても真面目に受け止めずに受け流すことが大切です。
3.ラベリング効果のポジティブな側面
ここまでネガティブな面を紹介してきましたが、上手く活用することでポジティブな方向へ向かう効果もあります。
自分に対して「自分はやればできる」「私はもっと成長できる」などと心に声をかけることで自己肯定感を高まり行動力が上がっていきます。
相手に対しては「あなたはとても優しいですね」「とても気遣いができて素敵ですね」とコミュニケーションをとることでその人にとってもいい循環が生まれますし、あなたにとっても良好な関係を気づく事ができ周りにも良い影響が生まれてくる事でしょう。
まとめ
ラベリング効果は、人の心理や行動に大きな影響を及ぼす力を持っています。
しかし、その効果を理解し、意識的に活用することで、より良い人間関係や自己成長を促進することができます。また仕事や人間関係、恋愛など、様々な面で活かす事ができるので、ぜひポジティブな使い方を心がけて使ってみてほしいですね。
あなたには必ず素敵な側面が存在しています。その素敵な面を伸ばしていけるように、ぜひ自分にポジティブなラベリングを貼ってみてください。
コメント