日常の中でストレスを感じた時、自分自身のことで精一杯で、他人のことを気にかける余裕がないと感じることもあるかもしれません。
でも、他人を思いやることには、実は素晴らしい効果があるんです。相手の幸せを願う気持ちや感謝の気持ちを持つことで自分自身のストレスを軽減し幸せな気分を高めてくれます。ではなぜ「思いやりがストレス解消につながるのか」についてお話ししましょう。
他人を思いやることでストレス軽減
相手の幸せを願ったり感謝する気持ちが自分自身の心が温かく満たしてくれる。実はこれ、ただの美辞麗句ではなく、心理学の観点からも証明されていることなんです。アメリカの心理学者たちによる研究によれば、他人への思いやりの行動が、死亡リスクを低減させる効果があることが示されています。つまり、他人への思いやりは自分が抱えるストレスを軽減することにつながるのです。
幸福ホルモン「オキシトシン」との関係
他人を思いやることがもたらすもの、それは「オキシトシン」というホルモン。このホルモンは近年「幸福ホルモン」とも呼ばれ、健康促進や美容、ダイエットにも関わることで注目されています。実は、オキシトシンはストレスホルモンの一種でもあるのですが、分泌されると心身に良い影響をもたらし、イライラを抑えたり、ストレスによる心臓のダメージを修復する働きがあると言われています。
そして、他人を思いやることによって、このオキシトシンが分泌されます。ちなみに、このホルモンは好きな人とハグすることやペットとふれあうことでも分泌されることが知られています。だからこそ、「抱擁ホルモン」とも呼ばれるのです。
幸福感を高める思いやりの効果
アイオワ州立大学の心理学教授、ダグラス・ジェンタイル氏の研究によれば、他人への思いやりが心の健康に良い影響を及ぼすことが明らかになりました。
研究チームは実験の参加者である496人の大学生を以下の4つのグループに分けて、12分間にわたって大学内を歩きながら、すれ違った人々についてそれぞれの指示に従って心の中で考えるという実験を行いました。
1.「相手に対して『この人が幸せになることを望みます』といった優しい考えを抱く」ように指示されたグループ
2.「相手と自分にはどのような共通点や関連性があるのかを考える」ように指示されたグループ
3.「相手より自分の方が優れている点を考える」ように指示されたグループ
4.対照群として設定された「相手の服装や持ち物についてだけ考える」ように指示されたグループ
この実験で、1.「相手に対して『この人が幸せになることを望みます』といった優しい考えを抱く」ように指示されたグループは、そうでないグループに比べて、不安感が減少し、精神状態が改善され、他人とのつながりが深まったと報告されています。
性別や個性に関わらず、思いやりが心の健康にポジティブな影響を与えることがわかったのです。つまり、他人を思いやることは以下のような効果をもたらす可能性があるのです。
- ストレスが軽減される
- 人間関係が良くなる
- 自分自身の幸福感が高まる
直接的なコミュニケーションがなくても、人と人との繋がりや心の繋がりが、私たちの健康や幸福感に影響を与えるのです。他人に対する思いやりが、幸福感を高める鍵となることが分かりますね。
思いやりを実践する方法
では、具体的にどうすれば他人への思いやりを持てるのでしょうか?
大切なのは、単純に相手を思う気持ちを持つことです。自分のストレスが溜まっているときでも、相手のことを気にかけ、行動や言葉に目を向けるように意識してみましょう。
具体的なポイントは以下の通りです。
- 相手の気持ちや行動に心を寄せる
- 相手の幸福を祈り、その姿をイメージする
- 小さなことにも感謝の気持ちを持つ
- 自分自身のためではなく、他人のために行動する
- 人とコミュニケーションを取り、心を通わせる
これらのことを実践することで、オキシトシンの分泌が促されることが研究で示されています。人と触れ合うことでも同じ効果があるので、知人や友人と会話を楽しんだり、家族と触れ合うことでも幸福感や共感度が高まるのです。
まとめ
他人を思いやることには驚くほどの効果があります。ストレスが軽減され、人間関係が向上し、心も体も健康になることが期待できるんです。ただし、無理に人と触れ合おうとせず、自分に合った方法でストレス解消を図ることも大切です。
他人を思いやることが私たちの幸福度を高めることの素晴らしさを感じてみませんか?他人への愛情は、健康で幸福な暮らしを築くための鍵となるでしょう。
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