自分を責めてしまう。個人化とは?

あなたはもしも、何か問題が起きた時「これが起きたのは全て自分の責任」「全部自分のせいなんだ」と過度に責任を感じすぎてしまったり、「私が責任を取れば解決するんだ」といったように他人の問題まで抱えて自分で自分を苦しめてしまっていませんか?

このように自分を過度に責めてしまう考え方は「個人化」という認知の歪みの思考傾向の一つです。個人化の考え方をしてしまうと自分を苦しめてしまい、心や体への負担が大きくなってしまいます。

目次

1.個人化のよくある例

例えば、自分の子どもが公園へ自転車で出かけた途中で向かいから来た自転車とぶつかってしまい怪我をしてしまったとします。そんな時に「出かけるときにもっと注意しておけばよかった。自分のせいで怪我をさせてしまった。親失格だ」と考え、落ち込んだり傷ついたりするのも「個人化」によるものです。


この場合、子供が怪我をしてしまったことに全て責任があるわけではありません、この場合の事故の要因には「向かいから来た自転車」も加わるはずです。
現実的な見方から離れ、客観性に乏しい捉え方をするのが、自己関連づけです。

2.個人化の原因

事故関連づけの原因は幼児期にある可能性が高いです。子供の頃は社会や世界のことについて知らないものが多いため、個人化で補おうとすることがあります。


例えば、幼稚園でいたずらをして先生に怒られた日があったとします。幼稚園が終わって家に帰った時に大好きなおばあちゃんが亡くなっていたら、「私が良い子にしていなかったから、おばあちゃんは亡くなったんだ」と結びつけて考えてしまう。
このように幼少期における個人化を、呪術的思考ともいいます。

思春期にも、個人化が強まるタイミングがあります。
学校で喧嘩したり、教師から叱られたりしたとき、「なぜそんなことをしたんだ」との問いに「相手が……」や「先生が……」と応え、「人のせいにするんじゃない!」と頭ごなしに怒られたとします。
このような事が何度も繰り返されたりすれば、「とりあえずまずは自分のせいにしておくべきなのだろう」と自分が責任を負うことを学習してしまいます。

また、夫婦仲や家族仲に悪い家庭で暮らしていた場合は、「自分が楽しい出来事の話をしなかったり、面白おかしく話せなかったりしたから、家族の雰囲気が悪いんだ」と自分の責任だと誤解することもあります。


これらの事に対しては、成長するに従って「子どものときの認識は早合点だった。現実には自分のせいのことも他人のせいのことも、運のせいのこともある」と認識を補正できればいいのですが、「とりあえず自分のせい」で生活上何も困ることがないと、子どもの頃の認識が残ってしまいます。

 2.個人化の治し方・対処法

個人化をやめる考え方としては、まずは個人化であることに気が付く事が重要であり、気が付くことだけでも自分を変えていく大きな一歩になります。

そして、物事を客観視する視点も持つこと。自分と他人との問題を切り離す考え方を身につける事で個人化に対して対処していけるようになっていきます。

また個人化の改善には、認知行動療法といった心理療法などが有効です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?まずは個人化をしてる事に気がつけた事だけでも人生において大きな良い変化の流れが訪れていると私は思います。物事を客観視する視点、そして他人と自分との問題を区別する考え方を身につけ穏やかな心を見つけましょう。

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