仕事などやプライベートで大きな失敗をしてしまった時、あなたはどのように受け止めていますか?一度は「これで終わりだ」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、同じ状況でも、失敗をチャンスと捉えることができる人もいます。
失敗したことに対しての捉え方や乗り越え方は人によって様々ですが、1つのことを失敗した時、それ以外の全ての事もきっと失敗するんだ、と決めつけてしまうような考え方のクセがついてしまうと、人生はどんどんネガティブな方向へ向かってしまいます。
そのようなネガティブな思考の種類の1つとして「白黒思考」と言うものがあります。
白黒思考とは、白か黒か、0か100かで物事を考える思考の傾向です。この白黒思考のクセがついてしまうとネガティブな偏った思考も持つようになってしまいます。なので白黒思考から脱却することは幸せな日々を送るために解決すべき課題です。
今回は、そんな白黒思考からの脱却方法について、皆さんにお伝えします。
1.白黒思考とは?
白か黒か、勝ちか負けか。それが白黒思考です。この思考傾向は、極端な捉え方をすることで、人間関係や自己評価にも影響を及ぼします。他人や自分の失敗が許せず、少しのミスでも自分を責めてしまうような人は当てはまりやすいですね。
白黒思考にはどのような例があるか見てみましょう。
- 恋人やパートナーに対して私と仕事どちらが大事なのと詰め寄る。
- 少しでも失敗しそうな気配があると挑戦自体を諦める。
- 挨拶されなかっただけで嫌われていると決めつける
2.白黒思考に陥りやすい人
完璧主義の方や自閉スペクトラム症の特性を持つ方は、白黒思考に陥りやすいと言われています。完璧主義の人は中途半端を嫌い、自閉スペクトラム症の特性を持つ人はあいまいさを苦手とする傾向があります。このような特性を持つ方々は、中間的な考えを受け入れるのが難しく、白黒の判断を好む傾向があります。
3.白黒思考の原因とその影響
白黒思考の原因は、幼少期にあります。10歳前後まではまだ精神的な成熟が進んでいないため、白黒思考が顕著です。例えば子ども向けのアニメなどは、ストーリーが正義と悪の対立が強調されているものが多いですよね?そのため子どもたちは白黒思考を身につけることが多いです。
成長する過程で柔軟な思考が育まれないまま大人になると、白黒思考のままでいることがあります。幼少期の経験が形成する信念を「スキーマ」と言いますが、これが白黒思考を引き起こす一因とされています。しかし、大人になるにつれて、現実は曖昧な部分も含むものであることに気づくようになります。しかし、偏った認知が根付いてしまうと、人間関係や自己評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.白黒思考からの脱却法:認知行動療法
白黒思考を脱却するための手法として、認知行動療法があります。認知行動療法とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。
認知は、ものの受け取り方や考え方という意味。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。
認知行動療法は、白黒思考を修正するための有効な手法です。
コラム法で柔軟な思考を養う
2つめの白黒思考を脱却するための手法として、コラム法があります。
これは一人でも簡単に取り組むことができる方法です。具体的な出来事や感情を項目ごとに分けて記録することで、極端な白黒思考に陥っていないかをチェックし、柔軟な思考に転換するのを助けます。
そのときの出来事と感情を項目に分けて記録することで、極端な白黒思考になっていないかをチェックし、より柔軟な思考に修正することを試みます。
コラム法は以下の7つの手順に従って進めるのが一般的です。
コラム法の手順
- 状況…動揺したりつらい状況を書き込みます。例えば、新しい仕事でわからないことが出てきたときのことです。
- 気分…その時の気分や感情を思い出し、100点中でどれくらいの気分だったか評価します。無力感やみじめさなどを思い出してみましょう。
- 浮かんだ考え…その瞬間に浮かんだ考えを具体的に書き込みます。消極的な思考パターンが見つかるかもしれません。
- 根拠…3で書いた思考に根拠となる事実を記述します。なぜそのような思考に至ったのかを考えてみましょう。
- 反証…根拠と反対の事実を書き出します。他の視点や可能性を考えることで、柔軟な思考が促進されます。
- 別の考え… 根拠と反証を基に、より柔軟でポジティブな考えを考えます。白黒思考からの脱却を目指してみましょう。
- 心の変化…最後に、記録した感情がどのように変わったかを記録します。穏やかな気持ちに変わったことを実感しましょう。
まとめ
白黒思考から脱却し、柔軟な思考を養うことで、失敗をチャンスと捉え、人間関係をより豊かにすることが可能です。自己評価を過度に負担することなく、前向きな考え方を身につけていきましょう。認知行動療法やコラム法を活用しながら、より充実した人生を築いていきましょう。
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